ハンドボール
ハンドボールの歴史
1898年にホルガー・ニールセン(人工呼吸法の一つ「ニールセン法」を考案した人物)が考案し北欧
を中心に行われていた7人制と、1910年代に現在のドイツの首都ベルリンで女子を中心に行われていた1
1人制の2つの形式で始まった。当初は11人制だったが、徐々に7人制の方が主流となり、女子は1962年、
男子は1967年の世界選手権から7人制で一本化された。1906年には、最古のハンドボール競技規則が刊行
された。日本では1922年7月24日、大谷武一が大日本体育学会において11人制を紹介、1938年、日本ハン
ドボール協会設立、1952年には7人制が初めて行われ、以降7人制が普及した。男子競技が夏季オリンピッ
クに正式種目に採用されたのは1936年のベルリンオリンピックからで、アドルフ・ヒトラーの特別要求に
よって実現した。一時期、正式種目から外されるが、1972年のミュンヘンオリンピックから復活した。一
方、女子競技については男子よりも1大会遅く、1976年のモントリオールオリンピックから正式種目にな
った。日本代表のオリンピック出場は、男子が1972年、女子が1976年が最初である。以降男子は1976年、
1984年、1988年の大会に出場、2008年は予選再試合があったが惜しくも韓国に負けて出場できなかった。
女子は1976年の大会のみに出場。
ハンドボールとは?
ハンドボールとは、各チーム7人で行い、フットサルの大きさのコートで、足の代わりに手を使って
ゲームをするような球技である。平たく言うと、サッカーとバスケットをたして2で割ったようなスポー
ツである。ルールはバスケットと似ているが、3歩まで歩くことが許され、ドリブルよりパスの方が多用
される。足と比べてボール運びが楽なため、ディフェンスは他球技より激しいプレーが認められている。
試合は前半後半それぞれ30分だが、平均でおおよそ20点前後の点数が入る。ということは、1〜2分に1回
は点数が入っていく。バスケットほどではないが、サッカーや野球より点数の動きは早い。
ハンドボールの盛んな国
ハンドボールはドイツ発祥のためであろうヨーロッパではサッカーの次に高い人気を誇っている。ド
イツには一部と二部で構成されるプロリーグもあり、強豪国はヨーロッパに集中している。その中でもア
イスランドやスウェーデン、デンマークなど北欧も特にレベルが高い。また、北アフリカや南米でも盛ん
である。アジアをみると、人気があるのは日本と韓国くらいである。
ハンドボールの魅力
ハンドボールの魅力は、近頃注目を集めている宮崎大輔(下の写真)が格好の例であるが、プレイヤー
が華麗なジャンプをしてシュートを放つ瞬間である。ボールがゴールネットを揺らした時の気持ちよさは
何とも言えない。また、頭脳的にパスを回してディフェンスラインを崩そうとする戦略と、それを必死で
守ろうとするディフェンスの攻防は、見ていて非常にワクワクさせられるものがある。そして、ハンドボ
ール最大の魅力は何と言っても他の球技にはあまり見られないパワープレイとスピードの速さである。フ
ィールド上でプレイしている時はもちろんのこと、観戦していても、試合のスリル感がひしひしと伝わっ
てきて非常に目を見張るものがある。
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石本 圭太朗
駒澤大学 文学部 地理学科 地域文化研究専攻
1nr8042i@komazawa-u.ac.jp